「HSR九州でアイアンホースっていう鉄フレームだけのレースが始まったらしいぜ、しかも750の空冷クラスもあるげな」
それを耳にしたのは10年前、モタードレースをやりながらもZでツーリングを楽しんでいた緒方は、ちょっと出てみたい気にかられた。
そして2015年のアイアンホース開催1ヶ月前、迂闊にも魔が差してエントリーしてしまった緒方はさっそく店に転がっていたフレームとエンジンでザッパーレーサー製作を開始した。
毎日夜を徹して作業し、完成したのはレース前日。
当日ぶっつけで挑むもアイアンモンスター750クラスでいきなり優勝できた。
これに味をしめた緒方は、さらなるタイムアップを目指してザッパーいじりに没頭してしまう。
お陰で750クラスでは負けなし連戦連勝、コースレコードも更新。
このあたりから鉄馬レースにも大きく関わっていくこととなった。
そして出会った鉄馬メンバーの皆からテイストの誘いを受けた緒方は、若き日の想いに再び遭遇することとなったのだ。
しかし、当時一人で店を切り盛りしていた緒方がテイストに出るにはツクバ用のマシンを一から準備し、店を一週間閉め、多額の遠征費が必要になる。
さらに家庭においても二人目の長男が生まれたばかりで、生活費の捻出が課題となった。
そんな、いくつになってもカツカツ生活(カツカツセイカツ)を続けていた緒方は
「このままでは一生テイストに出るなんて夢物語ばい、どげんかせんといかん」
そう思い立ち、テイストに出るための環境を一から作るべく、ある行動を起こしたのである。
はたして、その行動とはいったい・・・
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